後見人の責任と役割
後見人は、まず第一に、ご本人の生活をしっかり見守り、次に、生活に必要なサービスの選択・契約などを行ないます。「財産管理だけが後見人の仕事」ということではありません。
後見人の義務
後見人は「代理権」「同意権」「取消権」など、与えられた権限を適切に使ってご本人の生活を支えますが、その役割を果たす上で以下の義務はしっかりと果たさなければなりません。
- ご本人の意思を尊重し、適切な生活支援と財産管理を行なうこと
- 家庭裁判所または後見監督人の指導や指示に従うこと
- 後見人として行なった仕事や財産の管理状況について、家庭裁判所や後見監督人に適切な報告書を提出すること
「ご本人の意思を尊重する義務」については、法律で次のように定められています。
- 民法858条
- 成年後見人は、成年被後見人の生活・療養看護・財産管理事務を行うにあたり、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
- 任意後見契約に関する法律第六条(本人の意思の尊重など)
- 任意後見人は、「任意後見人の事務」を行うに当たっては、本人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
後見人の権限の及ばない領域
以下は、ご本人だけが意思決定できる事柄であり、後見人がご本人に代わって意思決定をしたり、代理をしたりすることはできません。
- 手術を受けること、臓器移植や延命治療を行なうこと
- 婚姻や養子縁組をすること
- 遺言を作成すること